~木村一基九段との指導対局~ in新宿将棋センター
2021年1月24日、新宿将棋センターにて木村一基九段との指導対局を受けさせてもらいました。飛車落ちで挑んだわけですが、木村九段さすがの強さ!私の攻めがいとも簡単に切らされてしまいました。
木村一基九段と飛車落ちで負けでした。流石千駄ヶ谷の受け師、めちゃめちゃ強かった。 (後でなんかしらの形で棋譜紹介します…!) https://t.co/q3yYdAadoZ
ということで今回は木村九段との棋譜を紹介し、感想戦で指摘された点をこの記事で、次の記事でこの将棋をソフトを用いた解析、検討等をしてみようと思います。
木村九段との棋譜↓
基本図
便宜上先後逆で表記させていただきますm(__)m
ここまでは飛車落ち戦でよく見られる基本図。駒落ち戦で定石を覚えない派の私ですが、大先生を前にしたからなのか、この局面を直前に覚え挑みました。
本譜の進行:▲4五歩△同歩▲3五歩△同歩▲4五桂、、、。
このように進んだわけですが、△3五歩は突かなくてよかったそうです。
その理由として、▲4五歩△同歩▲4五桂△同桂▲2二角成△同金▲4五銀とした局面で、△4四歩とされてしまった場合何もないと思いますが、▲同銀という強手があるそうです。(図1)
この手に対し、△同銀右や△同銀直が考えられますが、どちらに対しても▲5六桂という手が存在するらしいです。(図2)
この手に対し、先手が銀を逃げると飛車が成れてしまうため△4五桂としてきますが、▲4四桂△同銀に、▲4三歩という味付けの手を木村九段から教えていただきました。(図3)
(ソフトは単純な△4三角を示していました。)
これで▲4二歩成やそれを受けてくる手に対しての▲4一角を見せており、+1400点ほどあるそうです。
~指導対局をおえて~
木村一基九段、第1線で活躍している通り、やはりめちゃめちゃ強かったです。感想戦にも多くの時間を割いていただき、丁寧に多くの変化を教えていただきました。。1つ後悔している点としては、飛車落ち定石をしっかり学んで挑まなかったことです。感想戦でかなり序盤の方で指摘されてしまいました、、。また対局する機会があれば、リベンジしたいです!
将棋を始めたきっかけ
知っても誰も得しませんが…(笑)
私が将棋を知り、初めて指したのは小4の頃でした。と言っても戦法や指し方も分からず。なんとなくのルールを知り、従兄弟や友達と遊びで指すといった感じの立ち位置であったのが将棋です。
では本格的に始めたきっかけは何か。自分が本格的に始めたのは中3の時からです。理由はかなりシンプルで、従兄弟が他学校の将棋部に入部したと言う事実でした。それが理由で(こう見ると負けず嫌いな気がする。)自分も将棋の戦法や指し方について学び、独学で1級まで到達しました。しかし初段になることに苦労した為、高校から将棋部に入部、現在に至ります。
今まで使ってきた戦法の推移。
今回は私が使ってきた戦法の推移を紹介していきたいと思います。
〜3級 棒銀系
やはり初めて覚えた戦法は棒銀でした。図書館で棋書の読み方もわからないのに借りてきて局面の形だけ覚えていた記憶があります。(笑)しかし2.3級あたりで初めて壁らしきものと当たります。相居飛車がなかなか勝てなかったのです。
〜初段 四間飛車
そんな時出会えた戦法が四間飛車。振り飛車全般に言えることですが、右側が美濃囲いの守り、左側がカウンターの攻めと方針がわかりやすいのが魅力です。
四間飛車はある程度指し方を覚えてしまえば一方的に負けることのない優秀な戦法。
藤井猛九段著の『四間飛車を指しこなす本』が私を有段者の仲間入りへと導いてくれました。この本は振り飛車党全員が読むべきまさに”聖書”です。
〜二段 角交換四間飛車/向かい飛車等
初段以降に指していた戦法は他の振り飛車戦法の開拓でした。個人の意見としてに初段にさえなることができればどの戦法でもある程度は指せると思っています。初段になることが当初目標であった私は他の戦法も指せるようになりたい!ということで穴熊が嫌だった私は角交換をすることで穴熊にさせない角交換四間飛車を主戦法とし、二段昇段の原動力となってくれました。
〜三段 角換わり右玉等
この辺りから居飛車にも少しずつ触れていくようになりました。
居飛車を指すにつれ、振り飛車では味わうことのない手筋や、一手のミスで命取りになる等のことのスリルと楽しさを覚え、いつの間にか居飛車党へとなっていました。
といっても横歩取りや角換わりなどの研究勝負となる将棋は自信がなく、指したくなかった為、多少の力戦系に持ち込むことができる角換わり右玉に最終的に辿り着きました。今では私の1番好きな戦法となっています。
初心者に将棋を教える手順について
最近、高校から入部してくれた同学年の部員が初段になりました。それは彼の努力です。本当におめでとう!
追記…2021年1月、二段に昇段したそうです👏
今回はそんな彼に一番最初に将棋を教えた際、何から教えていったのかを紹介したいと思います。
※あくまでも1個人の意見としてお聞き下さい。
1.将棋の大雑把なルールと駒の動かし方
将棋が何もわからない人には当たり前ですがここから教えます。ここで2歩や打ち歩詰めなど少し複雑なルールは省くべきです。
2. 1手詰め
私なら次に詰みについて教えます。頭金のような本当に簡単な1手詰めを数問教えればひとまず十分であると思います。
3.駒落ちでの実戦
裸玉や8枚落ちを通して将棋の大まかな流れを掴んでもらいます。勿論相手に勝って貰うように指さないといけません。
ここまでは30分程あれば教えられると思います。あとはその人が将棋に興味を持ってくれるかどうか。そこは教える側にかかっています。
ここからは…
4.戦法の存在を教える
ここで戦法の存在を明かします。先程行った実戦がもっと効果的に勝つことができるという旨を私は伝えます。
最初に教える戦法といえば棒銀や四間飛車が多いですが、正直どちらでも構わないと思っています。どちらも将棋の基礎が詰まっています。ですが、棒銀を教える方が教える方も教わる側も簡単に教えられるのではないかと思います。
5.再度の実戦
もう一度8枚落ちを行えば脱初心者なのではないでしょうか。
ここまでの過程は1時間程あれば教えられると思います。
脱初心者後は1手詰めをもっと解いてもらったり、少しずつ駒落ちを減らしての実戦で慣れていって貰えばと思います。
追記
大変嬉しいことにうちらの将棋部に念願の女子部員が入ってくれました!実際にこの内容に沿って教えていきたいと思います。
私が三段になるまで。
2020年9月、新宿将棋センターにて三段になることができました!
今回は私が三段になるまでの期間、またその勉強方法を紹介したいと思います。
私は1級の認定を受けてから三段になるまで全て新宿将棋センターの規定にて上がりました。
1級から段位者になるまでに1年程、そこから二段になるまでに5ヶ月、三段になるまでにもう1年程かかっています。
こうして見ると初段昇段と三段昇段に1年程の時間を要しています。
反対に二段の昇段までには半年と、他に比べ昇段に要した時間が短いことから、初段と二段の差はあまりないのかなと感じます。
↑新宿将棋センターでの昇級、昇段規定
勉強法
私は棋力を上げるにおいて主に3つのことを行なっていました。
1.YouTubeや棋書での勉強
将棋の戦法などをYouTube、棋書を用いて勉強していました。特にYouTubeは楽しみながら学べるのでお勧めです。
2.詰将棋
どんなに強くても相手方の玉を詰ますことができなければ勝てません。私は詰将棋があまりの好きでなかった為あまりやってきませんでしたが、大事な事は確かです。初段二段は5、7手詰め、三段は9手詰めくらいをしっかり解ければ間違い無いと思います。
3.実戦
あとは実戦あるのみだと思います。近年はネット将棋が盛んですが、私は道場に行きリアルで指すことをお勧めします。(現在はコロナウイルスの影響もあってなかなか行きづらい状況ですが…。)ネット将棋とは違い、長考ができる点、感想戦がしっかりと出来る点において、強くなるにはうってつけの場所だと思います。
〜最後に〜
まだまだ三段ですがなぜここまで来れたのかという話でした。当たり前の事かもですが、強くなれる1番の方法は将棋を趣味として、楽しみながら行えるかです。勝ち負けも確かに大事ですが将棋を楽しむこと。それが1番大切なことだと思います。